格調高い日本画の挿絵が美しい、レトロな日本の昔ばなし絵本
どうして、今までこんな素晴らしい日本の昔ばなし絵本を知らなかったのだろう、と悔しい(?)気持ちになったのが、全20巻ある『新・講談社の絵本』シリーズ。
戦前に発行されていた絵本の復刻版だそうで、どの本も日本画の大家の先生方の手による絵画が惜しみなく挿絵として使われています。溜め息が出そうなほど、細部まで丁寧に描きこまれた素晴らしい絵に圧倒され、これまでに私も5冊の絵本を手に入れました。
その1つが『猿蟹合戦』(さるかにがっせん)。
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この絵本のスゴいところは、登場人物の「さる(猿)」や「かに(蟹)」、「はち(蜂)」「くり(栗)」「うす(臼)」が、全て、首から下は人間の格好をして擬人化されているところ。
特に「蟹」と「蜂」などは、その描き方に最初ビックリします。(でも、意外と子どもは違和感無く受け入れていたようです。)
更に意表をついたのは、悪賢い猿を退治しに行くときに、「かに」「うす」「はち」「くり」が全て鎧を身に着けていたこと。確かに、猿に渋柿を投げつけられた親蟹の仇を討ちに、子どもの蟹が仲間達と一緒に猿の家に向かう訳なのですが、その挿絵を見て、「ああ、まさにこの話は、親の仇を討ちにいく武士の仇討ちが題材の話だったんだ!」と思いました。
今まで、意地悪い猿をこらしめる話、という程度の認識だったので、「さるかに合戦」の「合戦」の意味を深く考えたこともなかったのですが、まさに、武士の仇討ちの「合戦」だった訳です。
さすが、名うての日本画家が描いただけあって、挿絵によって、このむかし話の奥深さをまざまざと思い知らされた思いでした。
それにしても、戦前に、こうした素晴らしい珠玉の名作絵本が存在していたことが驚きそのものです。
他にも、気に入ったのは、「ねずみの嫁入り」(『鼠の嫁入』)の話や、「舌切りすずめ」(『舌切雀』)の話。
ねずみの娘や、すずめのお宿にいるすずめ達の着物姿が艶やかで美しいです。
本当に贅沢な絵本。ハードカバーでないのが、やや残念・・・。
漢字かなまじり文ですので、幼稚園児以上が対象かな、という気もしますが、小さい子でも、十分挿絵の絵の素晴らしさだけで楽しめる絵本ではないかと思います。
ちなみに、他にも購入した絵本は、以下のもの。『桃太郎』、『一寸法師』、『かぐや姫』、『浦島太郎』は、すでに他の出版社の絵本を持っていたので、泣く泣く諦めましたが、こちらも素晴らしい挿絵でした。
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鼠の嫁入と文福茶釜 米内 穂豊 千葉 幹夫 石井 滴水 講談社 2002-04 売り上げランキング : 154312 おすすめ平均 ![]() Amazonで詳しく見る by G-Tools |
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